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「間取り再考」泉佐野市S邸①

2021.06.27
私達の事務所では建物完成までの一貫した建築設計だけでなく、簡単な間取りのご提案・アドバイスも行っています。

今回は大阪府泉佐野市のSさんからご相談をいただきました。
Sさんは昨年1月に古屋付きの土地を購入されました。
家づくりには強いこだわりがあり、インターネットの海外事例などを参考に、ご自身で間取りを考えられました。

専門的な設計図は工務店に依頼されましたが、特にアドバイスも無くSさんの間取りが図面化されるだけで、本当にこのまま建ててしまってよいものか不安になり、気づけば一年以上が経ってしまったそうです。


これがその間取りです。
約55坪の土地に建つ2階建ての住宅です。

ケーキづくりを生業とされるSさんがどうしてもこだわりたかったポイントは、
1.ケーキ教室ができる大きなキッチン
2.天井が高くて広々とした、お店のような雰囲気のリビング
3.毎日の帰宅が楽しみになる印象的な玄関
の3つでした。

そして、キッチンやリビングからは庭がよく見える、「緑に囲まれた暮らし」を強く望まれていました。
庭はプライバシーも重要で、パジャマで庭に出たりバーベキューもしたいということです。
土地を買うときは絶対に中庭をつくりたいと考えたそうですが、間取りがまとまらず諦めてしまったそうです。

細かく間取りを見ていきます。

まず1階で気になるのが、庭の奥行が2mとあまり広くないことです。
Sさんのイメージする「緑に囲まれた暮らし」を実現するには、もう少し奥行きのある庭が必要と思われました。
またキッチンからも庭が見たいとのことでしたが、庭側が壁でふさがっています。
壁をなくせればよいのですが、Sさんはオープンキッチンにはしたくないそうなので、何かしら庭とキッチンを近づける工夫が必要です。

次に2階を見てみます。洗面、浴室、トイレ、3つの洋室があります。
吹抜けをつくるために、洋室が押しつぶされているような印象です。

中央の洋室に外に面する窓がないのも気になります。
このような窓のない居室を「無窓居室」といい、法的に色々な制約を受けます。
実用上も換気しづらく自然光も入ってこないので、やはり外気に面した窓が欲しいところです。

中央の洋室は、部屋としてもやや細長すぎるようです。
実際にベッドを置いてみると、使いにくい無駄なスペースが生まれています。


ベッドとテーブルを置く寝室の場合、2,730mm×2,730mm(4畳半)とするのが一般的です。
子供部屋などスペースを最小限としたい場合は2,250mm×2,250mm(3畳)まで縮められます。(クローゼットは除く)
間取りを考えるときは部屋の面積だけでなく、必要な家具をレイアウトして問題がないかを検証していきます。
 
吹抜は1階の天井が高ければ必要ないとのことなので、吹抜をなくせば間取りの自由度が高まるかもしれません。

それから延床面積も150㎡とかなり大きくなっています。
予算を少しでも抑えたいとのことなので、ウッドショックもふまえ、少しでも余分な面積は減らしておきたいところです。

要望や問題点がまとまってきました。次回はこの間取りを改良していきます。