2020.06.13 和邇のコート・ハウス建築記(10) 内装で最も悩んだのは、床の仕上げです。 大型犬を室内に入れるため、①傷つきにくい、または傷がついても目立たない②抜け毛などの掃除がしやすい③すべりにくい(犬が脚をすべらせてケガにつながることがある)という3つの条件をクリアする必要がありました。 フローリングを使うと、どうしても①の傷が生じます。(それを味わいと考えることもできますが)タイル貼り、モルタル仕上げ等は①②については安心ですが、③すべりにくさの点で不安が残ります。 いろいろ検討した結果、三和土(たたき)を採用することにしました。三和土とは読んで字のごとく、土、石灰、にがりの三つの素材を混ぜてつくります。 三和土は左官職人さんが全て手仕事で施工します。外構や玄関土間に使うことが多い素材ですが、今回はリビングやキッチンの床もすべて三和土で統一しました。汚れにも強く、犬が引っ掻いて傷だらけになることもありません。土が材料なので本来は水がしみこみやすいですが、表面に特別な撥水加工を施しました。そのためコーヒーなどをこぼしても簡単に拭き取れます。何よりも、もともとは屋外で使う仕上げなので、あまり細かいことは気にせずガシガシ使えるのが良いと思いました。家は使いこなしてこそ。自然素材で断熱性・吸湿性にも優れており、サラサラしていて裸足で歩いても気持ちがよいです。 住宅で、それもリビング全部に三和土を使っている事例は実は見たことがありません・・・。少し冒険でしたが、出来上がりが楽しみです。 壁・天井の仕上げはすべてラワン材で統一しました。壁と天井の境目がない、どこか洞窟のような室内をイメージしています。木目が美しい板を工務店さんが調達してくれました。チーク材にも見劣りしないとてもよい質感だと思います。表面には自然由来のオイル塗装を施しています。塗料が木の内部に染み込み表面に被膜を形成しないので、木の呼吸を止めることがありません。自然素材ならではの経年変化も楽しみです。内装が仕上がり工事も終盤。次は家具工事です。 PrevPrevious NextNext