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金閣寺東の町家(5)

2024.02.10
年の瀬が近づき、工事もラストスパートです。
浴室の工事が進んでいます。窓の先は裏庭です。
写真は下地を貼り終えたところで、この上にFRP防水をしてタイルを貼ります。

タイルが張られ陶器風呂が搬入されました。裏庭を望む大きな窓を開け放てば、まるで露天風呂のような雰囲気です。陶器風呂は100kg以上の重量があり、本来は地べたを転がして運び入れます。しかし既存建物の間取りの関係で右の窓から陶器風呂を搬入するしか術がなく、職人さんが勢揃いで持ち上げてくれました。(その後数名が故障者リスト入りとの連絡あり・・・ご苦労をおかけしました。)


「灰梅」のモルタルが床壁一面に塗られました。裏庭からの光がモルタルに反射し、リビングにやわらかく広がっています。予想された色ムラは多少出ましたが、手作業の味わいがあって面白いということで塗り潰さずに残しています。


表側の墨入りモルタルも塗っていきます。墨の黒は経年変化で少しずつ薄くなっていきます。
玄関扉はヒノキに柿渋塗装です。

庭の植栽も進めていきます。工務店の方がイラストを描いてくれました。この一枚でも丁寧な仕事ぶりが伝わるのではないでしょうか。


お隣から浴室が見えないよう、スダレの高さを決めています。
裏庭側の外壁と板塀は焼杉仕上げです。


リビングの大きな窓ガラスを取り付けています。こちらも重そうです。(ガラスは石と同じぐらい重いのです。)

庭とリビングがひとつながりに感じられるよう、大きな窓は一枚のはめ殺しにしました。
(ここにサッシがあると、なんとなく目障りな気がしませんか?)


キッチンのガラスドアには屏風のようにたためる網戸(アコーディオン網戸)が仕込んであり、リビング全体の換気もしっかりできるようになっています。


玄関収納も完成しました。

リビングに幅一間半(2.7m)の大きなソファが設置されました。和邇のコート・ハウスと同じく、ソファはやっぱり「寝転がれるサイズ」が一番です。(https://www.designit.me/blog/view/10602
日本一暑いともいわれる京都の夏の夜は、この半地下の土間で眠るのも心地よいかもしれません。

完成検査と引渡しも無事終わりました。最終回では完成写真とともに建物を紹介します。